―麗美の誕生日




春休みだから、結構栄助の家に泊まりに行く。




誕生日もその内の1日で栄助は忘れてるっぽい。




「寒い〜!!」




嘘をついて、栄助に抱き付いた。




「嘘付け!!温かいじゃんか!!」




「寒いよぉ!」




麗美が口を尖らせながら言った。




「良いけど…」




いっつも栄助は 上から目線。




―夜




「麗美!!あげる!」




栄助が麗美に大きな箱を渡した。




中身は、箱を渡されてすぐ分かったけど…。




何で??




「ケーキ?」




栄助が大きく頷く。




「誕生日じゃん!麗美、いっぱい食うからLサイズにした!!」




「ひっどぉい!でも、ありがとう。」




何より、覚えていてくれた事が嬉しくて…




「誕生日おめでとう!」




「ありがと…。」




たったそれだけなのに、涙が出そうだった。




「定番のストロベリーフィールドもあるからな!」




「ありがと…」




「どういたしまして!」




栄助は クシャッとした顔で笑ながら、




麗美の頭に小さな箱を乗せた。




麗美は えっ?とした顔をしていると




頭から箱が落ちる。