「えっ!?」
予想外の言葉が返ってきたから、麗美は一瞬戸惑った。
「いろいろ、ごめんな…。俺、弘人の気持ちには、前から気付いてたんだ…。」
えっ!?
栄助も知ってたんだ…。
「それで、いつ麗美を取られるか心配で…。ずっとイライラしてた…。バレンタインの日、麗美に八つ当たりして、あんなこと言ったんだ…。」
「アメリと付き合ったのも、麗美に俺を見てもらうためだったんだ…。離れていても、俺の事を忘れてほしくなかったら…。」
「ばかぁ!麗美だって、不安だったんだから!!!!栄助が他の女の子に告られたの見て、栄助が遠くに行っちゃいそうな気がして不安だったの!」
麗美は 泣きながら栄助に言った。
「麗美は、俺の中の一番の女だから!!!」
"俺の中の一番の女だから!!!"
栄助の一番で居られるんだね…。
「ばかぁ!バカバカバカバカ!栄助が謝るから…!いっぱい嫌み言ってやろうと思ってたのに!!!そんなに一生懸命言われたら、許せちゃうじゃん!」
「残念でしたぁ!」
ぺろっと舌を出して、意地悪っぽく笑う。
ギュッ
麗美が感じたかった、本当の温かさ…。
優しい温かさ…。
栄助がギュッとしてくれた…。
誰にも無い優しい温かさ…。
良かった…。
雪の寒さなんて、忘れる位、温かかった…。
