でか盛りチョコバナナパンケーキが食べれるお店は、最寄駅から電車を二駅走らせたところにある。
のどかなこの町はしばらく南に歩くと、犬の散歩コースで有名なおっきな公園が出てくる。そのすぐ横の路地を奥に入った場所に最近できたのが、このパンケーキ専門店、”komori”

結構歩いたこともあり、良い空腹感だ。
それに時刻は丁度15時。時間通り目的地に到着である。
休日は満席だけど、今日は平日の木曜日!おそらく1席くらいは空いているだろう。
私は店の前にある、バラのアーチをくぐる。
この店、お庭も素敵なんだよなあ……
鉢にはたくさんの綺麗な花達。木も沢山植えられていて、すごく落ち着く庭だ。

ここで私はある事に気付いた。……なんか店内が暗い。
このお店の外からでも見えるオレンジ色のライトが、今日は付いていなかった。

「もしかして、今日定休日?」
外に置いてあるボードを確認する。
やはり”木曜日定休日”と描いてあった。

「うっそぉ……」
一生の不覚である。
確認してから出ればよかった。私の馬鹿野郎…
私はあまりのショックに思わず、その場にしゃがみ込んだ。
ぐぅ〜〜。腹の虫が鳴る。
「はぁ、お腹すいた」
ため息が出た。これで本日のため息は2度目。
なんだか、今日は良い事がないなぁ。

仕方なく家に帰ろうと立ち上がったが、段差につまづいてその場に盛大に転んでしまった。
膝小僧を打ったらしく、ヒリヒリする。痛い。
「う〜〜もうやだ…」
気づいたら、涙が溢れてきた。
私は、声をあげて泣き出してしまう。
こんなに頑張ってるのに、全然うまくいかない。神様は私の唯一の楽しみである食事まで奪うのか!
酷い、酷すぎる……

もうなんだか何もかもが嫌になってきちゃいそう。
私だって、面接に落ちるたびにネタにしてSNSに「また落ちた〜〜誰か落ちこんでる私と美味しいもの食べに行こっ」なんて投稿したりしていたが、本当は心の底から悔しかった。
なんで、私は認められないんだろう……
同い年の友人達はみんな新しい環境で頑張っている。
そんな中私は、スタート地点にもまだ立てていない。