オールバックからお金を受け取り、手を消毒してから、かき氷を二つ作って舌ピに渡した。
青と黄色のかき氷。
さっきから思うけど、かき氷ブルーハワイの人気高くない?あたし断トツでイチゴ派。
「おお〜、荒井。頑張ってっか、おい。」
「新井川さん。客がウザイです。」
「バカめ、お客様は神様だから〜。」
「…思ってます?」
「まあね。じゃ、頑張って。」
「適当に頑張ります。」
「ほい、水分補給はしろよ〜。」
あたしにスポーツドリンクのペットボトルを手渡して、奥へ行く新井川さんの背中にお礼を言った。
当の本人は返事の代わりに右手をダルそうにヒラヒラ振って。
新井川さんは、第一印象で強面な印象を与えるけど、結構気さくで話しやすいし兄貴!って感じの人だった。
30代ぐらいで民宿先にしては若い方だろうし。
今固くならずに接客ができるのも、新井川さんが作り出すこの場の雰囲気だと思う。
いや、テキトーすぎるのもダメなんだけどさ。
つってもこの海の家は新井川さんの友達ものらしい。
大人の事情ってよくわからない。


