「お待たせしました~、焼きそばとカレーライスです。ごゆっくりどうぞ〜。」
つかれ…。
「おい、荒井!笑顔!引きつってんぞ!」
「だって新井川さん!」
「だってもクソもねぇよ。」
「はい…。」
海の家を手伝い始めて、早1時間。
疲れた。なんじゃこりゃ。
かき氷作り過ぎて腕が痛い。明日筋肉痛だ。
…あ、またお客さん。
帰ってくれぇ…、という本音が顔に出ていると思う。
「いらっしゃいませ。」
テキトーな接客だけど、もう気にしていられない。週5で働く社会人ってすげえなぁ。
目の前に立つ客は、金髪に舌ピをした女の人とその女の肩を組むオールバックの男の人。
独断と偏見だけど、お前らは確実に週5で働く社会人って感じがしない。ここを手伝え。
なんて気持ちを飲み込んで、あたしは接客しなきゃいけないからさ〜。
そして、なんでこう暑いのに肩組むんだ、暑苦しい。見てて暑苦しいんだよもう。
「かき氷2つ。レモンとブルーハワイ。」
「はい、600円になります。」
「高くね?」
何言ってんのコイツ。
こういう面倒なタイプは無視でいいや。


