「見て!綺麗だね~!」
そう言って指差す先の景色に息を飲んだ。
瞳の笑顔が金色に光る。
赤とオレンジと黄色と。
グラデーションが施されたかのような空。
光が海に反射して一面広がる暖色。
大っきな太陽がすぐそこにある。
洗練された空気の中、静かに沈む太陽が一日の終わりを告げるのが神秘的で。
綺麗だと思った。
「先生怒るかな?」
「怒るでしょ~。遅刻だもん。」
「こんな時にちゃっかり安田達は戻ってるんだもん。」
「それなぁ!あいつら!!絶対面白がってる。」
名残惜しさを残してその場を去る。
なんだかさっきみたいに走れなかった。
でも普通に見つかって先生にこっぴどく叱られたよ。
それも思い出かな〜。


