シンデレラタイム



「やっほ~。」

「こんにちは。」

「瑛太の友達?」


瑛太?

あ、南のことか。



「はい。」

「へ~。俺、野崎 康貴(のざき やすたか)っていうの。よろ。」




へー。


なんか覚えにくい名前だな、というのが彼の第一印象だった。




「君は?」

「…荒井 沙凪です。」

「覚えた!」



そりゃどうも。



「へぇ〜、瑛太の友達なんだぁ、へぇ〜。」

「なんだよ、お前。」


そう言って戯れる2人は、あたしには仲が良さそうに見えた。




「ごめんな、こいつダル絡みで。」


2人のやり取りの最中に、南はあたしに軽く手を合わせる。

あたしは首を緩く横に振って、南に返事をした。




じゃ、お邪魔虫はそろそろお暇しますか。




ふと顔を上げた先に、みんなが楽しそうに遊んでる姿が目に入った。


そろそろ行かなくちゃ。



南とその友達数人に一声かけて、沖に浮かぶみんなの元へ合流した。