「沙凪、海は無理すんなよ?」



いよいよ臨海学校当日の朝。

玄関先で眠たそうなおじさんが見送ってくれている。



「うん、遊んでくる。」

「はしゃぎすぎて倒れんなよ。」

「そんなバカじゃないもん。」

「物理で赤点かましたアホって誰だったっけなぁ。」

「あーもう!行ってきます!」

「楽しんでこいよ~。」




待ちに待った臨海学校へ、いざ出陣。


遊ぶぞ〜〜!!!



普段使わないキャリーケースを引いて学校に向かう。




学校から現地まではバス。

目的地は海が近くにある山のど真ん中の旅館で、毎年そこにお世話になっているらしい。




………。


うーん、眠い。




歩きながら欠伸をした。

…ちょっと眠いし、バスで寝かせてもらおっかな。