シンデレラタイム



時間も時間ってことで、ここでお開き。


全員電車だからショッピングモールの最寄りの駅までゾロゾロ2列になって歩いた。


小学生の遠足みたい。


上級生とペアになって手繋いで歩くの。懐かしい。




5月の夜はまだ肌寒かった。スカートの下にジャージ履くことはあたしはしないけど。


安田はそれさえも様になるからすごいと思う。


ブレザーとセーターで我慢だ。




街灯が光る道をみんなでゾロゾロ歩いた。



こんな空が暗い時に出歩くことが滅多になかったあたしには、広がる漆黒の夜空が印象的だったっけ。




ショッピングモールから駅へ歩くまで、流行りの夏歌を歌う安田。


服もミュージシャンも、今は何だって先取りなのかしら。



夜だというのに近所迷惑も顧みず、騒音を奏でる歌声は、そりゃあ響く。




「ちょっと静かに!」

「いいのいいの。」

「良くねーよ!」



瞳の注意もどこ吹く風だ。




近所の人からしたら本当にただの爆音とか騒音とか、とりあえず黙れって思われてそうだけど。



結局、安田の歌に手拍子したり、笑ったり、合いの手を入れたり、騒ぎに騒いで目的地まで歩いた。