『さあ、シンデレラ。』
は…?シンデレラ…?
目の前は真っ白な世界。靄がかかったような、霧の中にいるような。そんな、見渡す限り白い世界であたしは誰かに呼びかけられている。
あ、これ昨日の夢の話ね。
その夢の中であたしに話しかける女の人の声。ちょいちょい何言ってるか聞き取れなかったけど。
目を凝らしても、目の前にいるはずの女の人の顔が見えない。声だけ、鮮明に、ハッキリと聞こえる。
『急いで、南瓜の馬車が待ってる。』
…南瓜の馬車ァ!?
うっそ!あたし、本当にシンデレラに…!?
って下を向けばめちゃくちゃ部屋着のあたし。
なに?あなた、誰なの?
あたしより背が高い印象がある。分からないけど、夢の中で、あたしはあなたのことを見上げてたから。
『今宵、あなたを、夢の空間へ。
でも間違えないで。これは期限付き。』
期限付き?


