◇
お昼を食べ終え、騒がしい体育館へと足を運ぶ。
瞳と喋りまくってて時間過ぎてた。
2組は初戦だからもう始まってるはず。
フルで見れないじゃん!って気付いた時には遅かった。
ダッシュで向かったバスケ会場。
瞳と慌てて体育館に駆け込んで、コートを見回した。
…ん?
いなくね?
もうコートにいてもいいんだけど、違うクラスの人たちだけしかいなくて瞳と首を捻る。
もう試合終わった?
んなわけないよね。
時間的にもおかしいし。
「安田達、どこだろうね。」
「見当たらなくない?」
「まじでどこ行きやがった。」
2組が誰も見つからなくて、どうしようかと考えていたときだった。
「瞳!沙凪!」
「「杏子!」」
可愛く髪が一つに結い上げられた杏子。
「バスケもサッカーも2組やばかったね。笑っちゃったけど。」
「バスケとサッカー?」
「え、知らないの?」
「うん、何も。」
「2組バスケもサッカーも試合欠場なんだよ。試合前に遊んでたらしくて、集合時間過ぎててそのまま不戦敗。」
「「はあ!?」」
ナニソレ!
「あ、ごめん。あたしもクラスのとこ戻らなきゃだ。またね!」
颯爽と戻る杏子を見送り、その場で瞳と顔を見合わせた。


