シンデレラタイム



それから無事に学年1位を勝ち取ったあたし達は、決勝戦へと順調にコマを進め、2、3年生との総当たり戦も滞りなく終わらせて呆気なく優勝してしまった。



3年生は最後の球技大会ということもあって気合の入り方が違う。あたしみたいにダレてる奴なんて1人もいない。



あたしだってそう簡単に負けたりしないけど。





というか今回思ったことはあたしって投げたり受けたりだけじゃなく、球に当たらないよう避ける能力が思ってた以上に備わっていた気がした。


ちなみに南にやられた目の件は除外する。





それにさ、3年男子の投げる球って魔球みたいなのばっかじゃん。



よくあんなのと試合したな、と終わってからホッとした。





決勝戦は、生徒はもちろん、先生までみんなが見にくる。



コートを取り囲み、尚且つすぐ近くにある渡り廊下や別棟から見る人もたくさんいるわけで。



そんな中で本当によく頑張ったわ。




先輩にもあの子やばくね?とか言われたい放題で、穴があったら入りたい。





そして、あたしの花の高校生ライフと引き換えにもらえたのは所々傷が目立つ金色の優勝トロフィー。



い、いらねぇ…。





まあ、いっか。思い出に残りそうだし。