簡単に終わらせられるかと思ったけど、そうもいかないみたいだ。
あと7人がなかなか減らない。
そりゃそうか、各クラス精鋭を揃えてるもんね。
2組も着々と当てられ、残るところ6人まで減ってしまった。
まあ、あたしは絶対当てられない自信があるから残れるけど相手の内野数が多かったら負けちゃうわけで。
「沙凪!本気出してる!?」
渡り廊下から見てた安田の声。
「ちゃんとやれ〜!!」
知らん奴からのヤジも熱が入る。
うるせえなあ。
ひとつ溜息をこぼして、タイミング良く内野にいたシルクがボールを持っていたから声をかけた。
「何すんの、お前。」
「うーん、本気?」
「は?」
「真面目にやろうと思って。」
「え、いや、今までも本気だったんじゃねぇの?」
「まさか。」
それだけ言って、ラインギリギリの所に立ち、敵陣向かって右の人から片っ端に狙ってボールをぶん投げた。


