面倒な開会式を適当に過ごして、いよいよ初戦。
ドッジボールはまず学年ごとのクラス対抗で行うトーナメント方式。
各学年の1位3クラスが出揃ったら総当たりで試合をして、3学年、全クラスのトップを決めるものらしい。
初戦、2組の相手は5組。
ドッジが競技の中で1番盛り上がるんだって。
審判の先生の笛の合図で試合開始。
ジャンピングボールでボールをとられ、5組ボールから試合が始まる。
そこまでは良かったんだけど。
5組の男子が投げたボールが瞳の脇腹に見事に入った。
いきなりのストレートヒット。
しかも結構強め。
手加減ナシなんだ…。
開始早々に瞳は外野へ送還させられ、それをアハハと笑っていたあたしの後ろから黒いオーラ。
「殺れ」と言わんばかりの安田の黒い空気に圧倒され、とりあえず、瞳を当てた男子を外野に送り返してやった。
バシィンって音が響く。
軽く集まる注目が、なんかちょっと恥ずかしいんだけど。
「沙凪ァ!!いいよ〜〜!」
安田の声がデッカく響く。
…とりあえず気にしないようにしよ。
女子から潰していった方が楽だろうとクラスの男子と協力して5組の女子を全員当てた。
あとは適当に男子も当てて。
残る5組の内野の人数をあと7人まで絞った。