昔はよくおじさんとキャッチボールをした。
柊太に付き合って公園で走り回ってたことが懐かしい。
多分まだじいちゃんが生きてた頃かな。
今はもうあの公園もないのかもしれないな。
なんて考えてたら。
「荒井っ!」
ん?
そう思ったときには、ボールが目の前にあって。
あ、やばいな、って意識はあったのに、避ける間もなく左目を強打。
さっき、あたしが男子に向かってボールを投げた時みたいなバチィン!って音が体育館に響き渡る。
いってぇ〜〜。
誰かわかんないけど今のは男子だろう。
投げるなら手加減してくれてもよくない?
なんて言えなくて、反射的に目を押さえた。
まあ避けろよって話だし、第一勝負事だからな、仕方ないか。
大丈夫!?と女子が寄ってきてくれたけど、心配ないよって返して保健室に行くために体育館を出た。


