ちょうどよく瞳の言葉をかき消すように、ガラッと勢いよく開いたドアの向こうには2人の女の子の姿があった。
1人は、パッチリとした大きな目に小さい唇、長身でショートカットの似合う女の子。
もう1人は、ミディアムロングの髪が綺麗に巻かれて、猫目が特徴的なザ女の子って感じの可愛い雰囲気。これぞまさにキャッツアイだ。
「あ!来た!」
「ごめん、遅くなった。」
「そんなことよりね、じゃーん!入部希望者!」
あたしの肩をガシッと掴んで2人の前に立つ瞳。かくいうあたしもだけど。
2人の瞳があたしを捉えた。
「そうなんだ!あたし葉山 杏子(はやま あんず)っていいます!よろしくね?」
「佐野 詩織(さの しおり)です。よろしく。」
ぱっちり二重のショートカットが詩織ちゃん、猫目のゆるふわミディアムロングが杏子ちゃん、ね。
「荒井沙凪です。よろしくお願いします。」
「え〜!じゃあ沙凪って呼ぶ〜!」
杏子ちゃんは声まで可愛い。
「沙凪!さっき言ってた中学一緒って詩織のこと。」
急な騒がしさを増す室内で、4人でいる空間は初めてにも関わらず楽しかった。
人見知りを知らない3人のおかげで、初日で打ち解けることができたのは、今振り返ると懐かしさを感じた。


