「…仕事は?」
「そういうの心配しなくていーの。」
…そうか。
素直にありがとうって思おう。
きっと頭下げてここに来てくれたんだ。
あたしが心配するようなことじゃないか。
「それではまた明日。」
担任の言葉で終礼が終わり教室が騒々しくなる。
「由那、俺職場戻るから。」
「わかった。」
おじさんとそう話して席を立とうとした時。
ガッと後ろから肩を掴まれて慌てて振り返った先には渚。
「由那!もしかして由那のパパ?初めまして。飯塚渚です!」
「……初めまして、由那の保護者です。」
渚が満面の笑みでおじさんに話しかける。流れであたし達も渚ママと軽く挨拶した。
「すげえ積極的な子だったな。」
おじさんがそう言ったのは、学校を出てすぐの横断歩道を渡っているとき。
「入学式の前に渚が話しかけてくれたの。」
「へえ。友達は大事にしろよ。」
「うん。」
「じゃ、俺は仕事に行ってきますわ。」
「行ってらっしゃい〜。」
駅へ向かうおじさんと別れてあたしは家に直帰。さっさと着替えて昼寝しよ〜。


