配属から初めての金曜日、二人の歓迎会が開かれた。

業務部だけのこじんまりとした集まりだから、総勢12名のアットホームな歓迎会だ。

「新田課長、始まりの挨拶をお願いします。」

挨拶は苦手だが、仕方ない。
俺は適当に喋り、乾杯とした。


可哀想に、俺の両隣に新人が座っている。

これでは、酒も料理も味が判らないだろう。

「少しは慣れたか?」

右隣の西塔に話し掛ける。

「はい、皆さん、善くしてくれますから!」

「足崩せよ。痺れるぞ。」

先ほど身長を聞かれて答えていたのが聞こえたが、180センチあるらしい。

それが正座してたら、目障りな程だ。

「倉梯さんは慣れたか?」

左隣の埜々香に話掛ける。

「はい、ぼちぼちですけど。」

彼女は150センチしかないらしい。

まるで、俺の子供のようだ。
まあ、俺は独身で、子供もいないが。

「酒は呑める方か?」

「いえ、余り呑めません。ウーロン茶貰っても良いですか?」