「課長、お願いします。」

新人の事を忘れ、仕事に没頭してた。

棚橋主任が書類を持ってきてた。

時計を見ると、一時間程が経っていた。


「ああ、悪い。」

これは、新人に入力させた書類だろう。

二人分揃えて持ってきてた。

棚橋主任がチェック済みだから間違いもなく、キレイな文章だ。

「OKだな。次、進めてくれ。」

「はい。………。」

棚橋主任が何か言いたげだ。

「何か?不都合でもあったか?」

「いえ、その………。
………倉梯さんなんですが、これ、かなり早く仕上げたんですよ。」

「?早く?」

「ええ。お茶を配り終えた後説明をして、それから作業に移ってもらったんですが、終了したのが西塔君と同時位ですかね。

ミスもなく、見事なタイピングでしたよ。」


西塔よりかなり遅れて始めた筈だが、終了はほぼ同時だったという事か。

「ふうん、パソコンは得意なんだな。」