『……深海!……居らしたよ!』







『……はい!……』






部屋の中から、
彼の声が聞こえた。



……私が……
部屋に入ると、
歌を歌って居た彼が私に微笑みかけた。







……ドキッ……







『……あ……
深海さん?……』







『……はい♪……
深海涼です。
よろしくお願いします♪』



『……あ、あの……
よろしくお願いします!』




……そして……
優しい笑顔で私に右手を差し出した。
私はそっと握り返した……








……私の……
目の前に写真で見たままの彼が居た……










……彼との……
始めての出逢い……










……この時は……
お互い仕事として逢ったのだ……



……彼との……
出逢いがこの先私の人生を大きく、
変える程の運命的な出逢いとは、
この時夢にも私は思わなかった……










……神様……
どうして二人は、
出逢ってしまったのですか……










……涼と……
奇跡的な出逢いをした……








……夏の日……









……すると……
彼が、







『……ハハッ……
そんな見つめないでよ……
座ったら?……』






……ハッ……



いけないッ!
こともあろうか私はしばし、
彼に見とれて居た……




……だって……
長い事取材で私は数多く、
イケメンを見て来たけど……
ここまで整った顔を見たのは、
始めてだった……



……ああ……
ヤバい!
倒れそー!



『……あ……
ごめんなさい!
よろしくお願いします!』



『こちらこそ♪
よろしく♪
気楽にやろうよ!』




『……ハハッ……
そうですね~』



……ヤバい……
彼に緊張してるの見破られてる~



しっかりする!!



その時店長さんが、
飲み物を持って来てくれた。



『冷たいもんでも、どうや♪』



『すみません!
頂きます。』



『……店長……
有り難とうございます。』



そう言うと彼は、
私の目の前に座った。



---はあ---
見れば見る程、
イイ男ね……
心臓持つかしら……


『……では……
改めて新谷です。
短い間ですがよろしく、
お願いします。』



『こちらこそ♪
よろしくお願いします。
って俺は何をすればいいの?』




『……ですね!……
今日はインタビューと写真をここで、
何枚か撮らせて頂きます。
明日は密着と言う事で!
よろしくお願いします。』



『そうなんですか?解りました♪
でも俺なんか別に、
アイドルタレントでも無いのに、
むしろ俺なんかでいいんですか?』



『……いえ……
深海さんがいいんです!』



……私は……
真っ直ぐ彼を見て言い切った。



『……アハハ……
そんなに言われたら何でも、
協力しますよ!』



『……ん?……
どうかした?』



私が不思議そうに彼を見て居たら、
彼が私に問い掛けて来た。



『……いえ……深海さん……
大阪弁じゃ無いなあって思って!』



『……ああ……これね?♪
俺何故か今日みたいな、
取材とかされる事がなんか、
2年ぐらい前から多くてさ~
で、大阪弁じゃあれかなあ?って
思って標準語勉強したら、
自然に染み付いちゃった♪』



『……ああ……
そうなんですか?』


彼の口からいかにもな答えが、
返って来た。それは納得だ!




『……ああでも……ダチと話す時は、
勿論大阪弁で話してるけどね♪』



『なる程!』