『オラ!!
お前ら早くしろよ!間に合わねーぞ!』


編集部にチーフの怒鳴り声が、
今日も高らかに響いていた!
とっくに勤務時間は終わってると言うのに。
あさって発売の雑誌の、
最終打ち合わせに追われていた!
ようやく1時間後、
なんとか特集記事が出来上がった。



『はーッ!
終わったー!!
今日も超ハード~~結奈♪お疲れ~♪
飲み行くでしょ?』


私に話しかけて来たのは同期で、
親友の真理恵♪
私達はストレスが、たまると飲みと、
決めて居た。



まあ、飲みか、
カラオケだけど、
今日今日は飲みたい気分だった♪



『……あ……
真理恵♪お疲れ様♪行く行く~♪
相変わらず人使い、荒いわよねー?
チーフったら!!』


と、真理恵と二人で帰ろうとした時に、
私に不幸がやって来た。



『……っと……
新谷待ったー!!』


って凄い嫌な予感がしたけど……
予感は見事的中!!まあこんな事も、
入社2年めの私にはもう慣れてしまったけど……



『……新谷……
悪いけど、
今から大阪飛んで!』



『……ええッ……
大阪ですかー?』



するとアネゴ肌の真理恵が、
チーフに食って掛かった。笑
無駄だと思うけど~


『……チーフ!……また結奈ですかー?
他にもイキのいい男子とか、
あの変にウヨウヨ居るじゃ無いですかー!!
なんで結奈なんですかー!!
この前も結局、
結奈とデート出来なかったしー!!』



男子をと見ると、
そそくさと帰り仕度をしていた。



『まあまあ上からの、
指名なんだから仕方無いんだよ。
今度2人に早番やるから今日は折れてよ。』



……ふっ……
休みじゃ無く早番ってとこが、
チーフらしい。笑っ


『仕方ないわ~
真理恵……
また今度にしよ。』


『……結奈……もう!
あんた聞き分け良過ぎよッ!
チーフ!
今度は絶対ですよ!』



『解った解った!』



『じゃあ結奈、
あたし帰るね?
気をつけてね。』



『……真理恵……
有り難とう、
ごめんね?また今度ね?』



真理恵が帰ろうとしたら、
編集部一のチャラオの岸谷が、



『……オッ……
真理恵壌♪
ディナーなら俺が付き合いますよん♪』



と、話しかけてた。すると真理恵が、



『……結構よ!……
あんたと夕飯食べるぐらいなら、
家の犬のポニーと、食べた方がマシよ!』



アハハ!!



『……真理恵……
言い過ぎよ~』



『そうだよー!
ひでーな~』



『……なによ……
彼女居る身で!』



『そうだぞー!
お前ー!!』



『……う……』



『……じゃあ……
結奈♪
気をつけてねー!』


『……う、うん……有り難とう。』




『……ハハ……
相変わらずだな♪』


『ところでチーフ!
取材って何日ですか?
ちなみに何の取材?』



『……ああ……
そうそう♪
この爽やかイケメンくん♪
取材してきて♪
次の号でイケメン特集組むから!』



『……また……
イケメン特集~?
ほんと好きですね~イケメン♪』



『……まあ……
見てみろよ♪
カラオケ店でバイトしてるみたいで♪
かなり人気あるらしいぞ♪ホラ!』



と言ってチーフは、
私にイケメンくんの写真を見せた。







……アラ……確かに♪








その少年は私が、
今まで組んだ特集号の中でも、
群を抜く程のイケメンだった♪




『……どうだ……
イケメンだろ~♪』


『……はあまあ……確かに。』



私の返事にチーフも満足気だった。