「まぁ、十中八九男でしょ。何、天城(あまぎ)くんが何かやらかした?」

スルドイ!

帰って、冷静になって考えるつもりだったのに。

考えるといっても、私は浮気者は絶対ないから、どうしてくれようか…って考えるつもりだった。

『まぁ、見ちゃったんだよねぇ…浮気?いや、ジュエリーショップに夜都(やと)が女と腕を組んで入っていくとこ!』

「へぇ。あのクールな溺愛男がねぇ…そんな風には見えなかったけど、二股できちゃうタイプだったか。」

これまた立花(りっか)さんの冷静な返し。

こんなとき、慰めもしなくて淡々と話す立花が私は好きなんだよね。

『まぁ、夜都が浮気か二股かなんてどっちでもいいの。同じことだから。ただ、私と付き合ってて相手が何にしても、ジュエリーショップに一緒に入るのは許せない。ほら、よくあるじゃない?小説とかで実はキョーダイとか、彼女のプレゼントを同僚に選んで貰ってましたとかさ。私ああいいうのほんとダメなの。他の女に選んでもらったものがなんで嬉しいと思うの?よくわからないから選んでもらったとか、理由はあるんでしょうけど、夜都が選んだものなら、私はそれだけで嬉しいのよ。価値観の違い?まぁ、普通に浮気ならこんなこと考えるのもバカらしいわね。』

お酒の力もあってか、饒舌な私。

「アリアは天城くんを信用してたから、そんな考えがでるのも無理ないわよ。理由があるのかなって考えてしまうのもね?」

『うん…。』