「で、茶会には行ったが先輩とは会えなかった?」
「そうなんだよ。」
はぁー、と今日1日ため息しかついてない気がする。
つぎの日、朝からそれなりに期待して学校へ来たのに、
同じ校舎に居るはずなのに、
例の先輩とは1度も会えていない。
「まだ午前中だし、そもそも棟が違うんだからそりゃ、難しいに決まってる。」
「えー...なぁ、晴人。あの先輩とはどうやったら会えるかな。何年何組かな。」
「はぁ!?こわっ、きもっちわるっ!!……スリッパ赤だったから2年だろ。組は知らね。会いたきゃ茶道部入ればいいだろ。」
...なるほど、スリッパ見てなかった。
部活はなー、あんまり入る気しないんだよなー。
色々とめんどくさいし。
「あっ、やべ。昼休み終わるわ。俺きょんちゃん迎えに行かなきゃ。」
「あー、京子先生か。いてら。」
てか、教科係って2人じゃなかったっけ?
いや、職員室まで来て気づく俺も俺だけど。
誰だよもう一人。……なんか、女だった気がするけど記憶に無いわ。
まぁ、いいか。モノ運ぶくらい俺だけで十分。
にしても、めんどくせぇ。
あー、あの先輩に会いたいんだけど。
てか職員室前なのにうるさすぎ。
何、みんな暇人なの??
本日何度目かわからないため息をついたときだった。
『じゃ、ちょっと待ってて。』
『うん。』
喧騒に紛れて聞こえた声。
もしかして、