今日は最終日、太鼓はお父さんとお兄ちゃんが締めを飾るから、私はみんなとゆっくり祭りが楽しめる。

陽菜『へぇ〜鈴、なかなか似合ってるじゃない!!』

「ありがとう(*´ω`*)」

5年ぶりに浴衣を着た。何か照れくさい…。
お姉ちゃんが私のために浴衣を縫ってくれた。薄いピンクに桜が天の川の様に描かれた浴衣。

「でも、ピンクって…。」

陽菜『私が似合ってるって言ったら似合ってるのよ!ねっ、霧崎くん!』

天『……。』

「……?天先輩…?」

天『っ!!』
天先輩はびっくりしたのか、思いっきりひじを壁にぶつけた。

「天先輩大丈夫?!」

天『だっ大丈夫!』

鳩刄『おっ!鈴が浴衣だぁぁぁ!!!』
鳩刄が叫んだ瞬間みんなが私たちの部屋に駆け込んできた。お兄ちゃんなんか泣いて抱きついてきた。

神界『初めての浴衣じゃね?本当に女だったんだなぁ!』

「ひど!悪いけど、浴衣着るのこれが初めてじゃないし!」

神界・鳩刄『へぇ〜それは初耳だなぁ!浴衣着て誰と祭りに行ったんだ?』

鳩刄たちは私が浴衣着たことあることは嘘だと思ってる。秀ちゃんがいた頃は毎年の様に浴衣をきていたのに、秀ちゃんがいなくなった後は一切着なくなった。

翼『はいはい!その辺にして祭り行くぞ〜』

翼は私に助け船を出す様にみんなに声をかけてくれた。神社着くまでの間、翼は最近の面白い出来事を話して元気づけようとしてくれた。本当に感謝しきれないよ。

鳩刄『よぉし!みんなで屋台のゲームで勝負しようぜ!』

凌『しゃ!!負けたら食べもん奢りな!』

陽菜『私と奏多はパス!別行動するわね』

全員『え…?』

みんなが?マークになっている。昨日の祭りで付き合うことをみんなに報告する陽菜は私にピースサインをだした。それを聞いた男子たちはヤケクソでさっさと行ってしまい、陽菜先輩もルンルンで奏多先輩と行ってしまった。

「私も秀ちゃんとー」

『おい!』

「えっ!のわっ!!てっっ天先輩!?みんなといったんじゃ…」

どうやらトイレに行っていたらしい。思わず笑ってしまった。

「みんななら多分輪投げあたりにいると思うよ」

天『あぁ…お前はいかないのか?』

「いえ…私はちょっと…。」

天の顔はいつもなら真っ先に鳩刄たちとはしゃいでるだろって心配そうな顔している。

「天先輩、今日は私と一緒にいてくれない?」
天『はぁ?』

私は有無を言わさず手を引っ張って、食料を買い今は私だけの場所に向かった。

天『おい…こんな道がない雑木林の中になにが…。』

天先輩はぶつぶつ言っていたが、やっとたどり着いたとき、輝く夜景と星を見て目を大きく開いた。

「いいでしょ〜。ここは私と秀ちゃんだけの場所なんだぁ。」

天『秀兄と?』

「そう。秀ちゃんと見つけた、絶景かつ秘密基地!」

天『俺が来て大丈夫なのか?』

「うん…。」

いつもなら毎年ひとりで来てた。その度に秀ちゃんと過ごした思い出を思い出して泣いていた。

「秀ちゃん!今日のお祭りは秀ちゃんの弟さんがいるんだよ(*^▽^*)きっと秀ちゃんが会わせてくれたんだね」

天『七瀬…』

私は秀ちゃんに話しかけた後、天先輩に色んなことを話した。秀ちゃんと過ごした思い出を。

「先輩とここに来れて良かった。先輩のおかげで秀ちゃんに元気な顔見せられたよ。」

天『俺は何もしてない…。てか、お前はいつも気付くと泣いてる。今も無理してる…。』

「私は泣いてなんか、ってあれ…」

先輩は私を抱き寄せた。そして優しく背中を撫でてくれてる。私はこんなに泣き虫なんだ。
天『辛くなったら無理しないで、俺の腕のななで泣けばいい。俺が秀兄の代わりになってやるよ!』

「えっ…?」

ひゅ〜パァン!

天『おっ!これはすげえ見晴らし!七瀬、いいところ見つけたな!』

「っ!!」

花火が上がるなか、先輩の笑顔をみて私は胸が高鳴った。そして気づいてしまった、天先輩を好きになってしまったことに…。
それを祝福してるかの様に花火は綺麗に先輩の後ろで上がっているような感じ…。


私は秀ちゃんの弟に2度目の恋をしてしまった。


?『鈴、みーつけた』


つづく…。


下巻をお楽しみに(⌒▽⌒)!