陽菜『何で私がフルートやってるって気づいたの?』

山田先輩は不思議そうに聞いてきた。

「寮の敷地の池でフルート吹いてるところみたことがあって、凄く綺麗な優しい音色で気になってたんですが、名前がわからなくて駄目元で天先輩たちに聞いたら、奏多先輩が知ってたので。」


陽菜『奏多先輩が…!?』

私が奏多先輩の話をした瞬間、山田先輩は顔を真っ赤にしていた。

「はい…。先輩、もしかして…奏多先輩のこと好きなんですか?」

陽菜『ーっ!!ちっ違うわよ!!』

「あははっ(≧∀≦)わかりやすっ!」

陽菜『だから違うわよ!去年、助けてくれた時のことを覚えてたんだなぁと思っただけよ』

「まぁ、そういうことにしときます。」

陽菜『だからっ!!あ…』

山田先輩は真っ赤にしたので、私は振り向くとそこには、奏多先輩がいた。

奏多『ここにいましたか…』

「奏多先輩!どうしたんですか?」

奏多『翼が探してたので…。』

奏多は話ながら、ちらっと山田先輩の方に視線を移した。

奏多『鈴さん、その方たちは…、』

「新しい部員です。奏多先輩教えてくれてありがとうございます」

奏多『そうですか。山田先輩、鈴さん、良かったですね。山田先輩、今度は諦めず頑張ってくださいね。鈴さんはサポートしてあげてください。』

私は自信たっぷりに頷いて、山田先輩をみた。
山田先輩は恥ずかしそうに私の、背中に隠れて頷いた。
私たちは、皆んながいる部室に向かって山田先輩たちを紹介した。陵先輩は反論したが、翼は私がいいって言うなら良いんじゃないかと言ってくれて、陵先輩は渋々了承してくれた。

「山田先輩、よろしくお願いします(*´ω`*)」

陽菜『よろしく。あと、私のことは陽菜でいいわ。』

「えっ?でも…。じゃあ、陽菜先輩(*´ω`*)」

陽菜先輩は照れて顔が赤くなった。 私は嬉しくて先輩の名前を連呼していたら、怒られた(*´ω`*)
「さて、部員が増えたから9月の商店街でイベントやるんだけど、そのステージに出演します。」
全員『はぁぁ!?』

「だから8月後半は、毎日練習します。」

翼『いやいや!!早すぎでしょー!初心者もいるんだぜ?』

陽菜『曲もまだだし!!無理でしょ!!』

「曲は、しぶりんの曲でメドレーにする
商店街のイベントだから、そんなに堅くならなくて大丈夫だよ(*´ω`*)」

全員『そういう問題じゃねぇ!!』

「もう、エントリーしたから取り消せないもん!しかも、イベントで1位取れば商店街の商品券5千円+市民ホールの使用権が貰えるんだよ?やるしかないでしょ!!」

翼『わかった。やるしかねぇな、』

陽菜『無謀すぎる!しかも、トップ狙いなんて』
そして、私たちは商店街のイベントに参加することが決まった。

翼『でも、8月からじゃ遅い!夏休み入ったらすぐやらないと難しいし、悪いけど今回は奏多さんと天先輩も参加して下さい。』

天『嫌だ!なんで俺が…』

奏多『私は構いませんよ!』

天『おい、奏多やるのかよ…。』

奏多先輩は、今回だけではなく部員として入ってくれると言ってくれた。天先輩は奏多先輩にいい組められて奏多先輩と一緒に入部することになった。

翼『おっしゃ!!じゃ、早速夏休み入ったらすぐにはじめ「ごめん!!」』

全員『えっ?』

「ごめん、みんな…私、夏休み前半は実家に帰るから出来ないんだ…。」

翼『マジか…。』

陵『鈴ちゃん、何か予定があるの?』

「お祭りが…」

翼『おい、自分からイベント参加するって言っておいてお前は祭りでenjoyかよ?』

翼はすっごく微笑んでるが、目が笑ってない。私の頭をグリグリとやってくる。

「翼!やめれ!!違うんだって!私の家は毎年お祭りに参加してて、遊んでる訳じゃ…」

陵『そうだよ!7月はお祭りを楽しむべき!!』

陽菜・翼『先輩は黙って!』

陵『はぃ…。』

陵先輩の役立たず!!
いい感じに繋げると思ったのにー(*´-`)

「本当にごめん!8月からは出れるから…。」

翼『お前なぁー、、』

陽菜『だったら、みんなで鈴の家行けばいいんじゃね?』

陽菜の意見にみんなが陽菜の方へ向ける。

奏多『山田先輩、こんなに大勢押しかけては、七瀬さんのご家族にご迷惑をお掛けしてしまいますよ』

陽菜『あっ…。』

奏多先輩の言葉を聞いて、みんなのテンションが下がったのは私には気づかなかった。

「それだ!!」

皆んなが私の大声でびっくりして、目を丸くした。

「そうだよ!私の家に皆んながきて、家で練習すればいいんじゃん!ってあれ?みんなどうしたの?」

翼『いきなり、大声出すなよ!びっくりするじゃねぇか!それに、お前の家族に迷惑かけちまうだろう!』

「私の家なら大丈夫ですよ!部屋ならいっぱい空いてるので大丈夫です。」

翼『お前ん家、金持ちか?』

「金持ちではないかな(*´-`)だけど、私の家で練習出来るよ!」

そして、皆んなが私の家に来ることが決まった。

翼『よし!じゃあ、鈴の家で合宿だあ(╹◡╹)』

天『ダル…』

ベシッ!

天『イテェな!』

陽菜『ダル…じゃないわよ!あんたの相手する方がダルいわよ!』

陽菜先輩が天先輩に言った一言に皆んなが爆笑した。

陵『はーウケるマジ!!陽菜先輩に座布団一枚だわ!』

「ですね!(● ˃̶͈̀∇˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

奏多『動画撮っておきたかったですね…。』

天『それやったら、マジ〆るぞ(๑•ૅㅁ•๑)』

翼『まぁまぁ、そろそろ帰りましょう!』

翼がその場を宥め、皆んなと音楽室を離れた。
そしてあっという間に夏休み前日の夜、私は寮の池に足を運んだ。

♫〜♪

「秀ちゃん、明日からいよいよ夏休みだよ…。私ね、秀ちゃんがくれた音楽でたくさんの仲間に出会うことができたよ…。」

ガサッガサッ
だけかと思ったら天先輩だった。

「天先輩!」

天『やっぱり、お前だったか…。』

「えっ?」

天『さっき、バイオリンの音が聞こえたからお前がここにいるんだろうと思ったら、本当に居た。』

「私に何か用?」

天『いや…別に用はないが、この曲を弾いてる時のお前は辛そうな顔するからさ…。泣いてんのかなぁって…。』

「はぁ?別につらくないから!」

私は悔しくて意地を張った。本当はすごく泣きそうになっていた。
何で、わかるのかな…。

天『そうか。じゃあな!』

「先輩!」

天『何?』

「えっ…、いや、おやすみなさい」

天『ふっ!またな!』

先輩が笑らった。月明かりに照らされた先輩の笑顔で私は固まった。

「っ!(*´ー`*)」

それはとても胸に何かを射たれた瞬間だった…。