陵先輩と翼が一緒に合奏をやってくれるようになり、翼はドレミをマスターして楽譜も読めるようになった。

翼『鈴、おはよ。』


「あっ翼!おはよう(*^ω^*)」


翼と私はクラスメートであり、今では親友だ。
最初の出会いからもう2ヶ月たつかなぁ?

クラスの人もだんだんと私に慣れてきたのか、無視する人も減り、話しかけて来てくれる人もでてきた。

まぁ、男子がほぼだけど、女子は未だに無視されてる。

翼『そろそろ、何か弾きたいよなぁ』

「そうだね〜。だけど、もうちょい人が欲しいかも…。今の段階だと音がケンカしちゃうから、調和するには、ピアノとかフルートとか音を支える楽器が必要なんだよね…」

翼『やっぱり、天先輩誘った方がいいんじゃん?』

「あたしも入ってくれるなら嬉しいよ…。でも、無理やりやらせたくはないんだ…」

私だって、秀ちゃんと同じ音を持っている天先輩が入ってくれるなら嬉しいし、心強い。

だけど、あの先輩は私のことが嫌いだし、すぐにケンカになる。

翼『……。お前さぁ…実は天先輩のこと好きとか?』

「は?」

翼の質問があまりにも、ありえないことを聞いてくるので呆然としていた。

翼『会うたびにケンカしてるやつに、入ってくれると嬉しいって実は好きなのかなぁって…。』

「なわけあるか!!」

翼『うるせっ!』

「私は、天先輩が好きなんじゃなくて、天先輩が弾くピアノが好きなの。私の大切な人と似てるから…」

私はだんだん声が震えていた。
ヤバイ…このままだと…

翼『大切な人?』

「そう。私には好きな人がいるの。だから、もうこの話は終わり!!」

翼はそれ以降、何もいわなくなった。
ただ一言…わるかったな…それだけを言って席に戻った。

それと行き違いに数人のクラスの女子が、私の前に来て話をかけて来た。

a『ねぇ、ちょっと。』

「何か?」

b『話があるから、ちょっと来てくれない?』

私は疲れてるから、後でと頼んだが受け入れてはくれずに、腕を掴まれて裏庭に連れていかれた。


「わざわざ、ここまで連れて来て何の話?」

a『ちょっと!翼くんたちに近づくのやめてよね!!マジで迷惑!』

b『これは忠告よ!今後、近づくことがあれば私たちが許さない。』

「近づくなって言われても…無理でしょ!」

c『はぁ?テメェーなめんじゃねぇよ』

「なめてないし、しかも何であんたたちのために、友達をケンカしてもいないのに避けないといけないわけ?」

私は相手の脅しはお構いなしに言い返した。
私を囲んでる女子の顔が苛立ちで真っ赤になっていった。
「それと、そんなに翼たちに構って欲しんだったらこういうことしない方がいいよ。こういうの1番嫌いだと思うし。」

a『私たちに指図すんなよ』

私の話なんて聞きもしない。
呆れてる私を見て、女子が私に殴りかかってきた。



私はいつもの様に交わそうとして構えたが、相手は女子なのに気づいて構えを止めた。


ドンッ!!

「ーっ!」

バシッバシッ!!

「ーっ!!」

女って本当にこわいわぁ〜ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3

私には女子を殴ることは出来ない。
私は殴られながらも必死に顔を守った。


a『これで懲りたら、もう翼くんたちに近づかないことね。』

「……。」

b『また、近づくことがあればもっと痛い目にあうと思いな!!』


女子は少し満足したのか、教室に戻っていった。
私は殴られて腫れた腕を隠すように、腕まくりを下ろして汚れた制服を綺麗にしてから、教室に戻った。



ガラガラッ

翼『鈴!どこ行ってたんだ?』

教室に戻ると、翼が心配そうに私に話をかけて来た。

「うぁっ!!翼!?びっくりしたぁーっヽ( ̄д ̄;)ノ」

翼『お前、どこ行ってたんだよ!!電話してもでねぇし。奏多さんたちのところにも連絡してもいねぇって言うし…。』


「ごめんごめん^_−☆ちょっと、アイス食べたくなって学校から抜け出してた(●´ω`●)」


翼はホッとした様子で今度行くときは声かけろっと言ってくれた。

翼、ごめんね…。
許してね…。

そして、もう音楽室が皆んなの住処になっているような…。
奏多先輩と天先輩は部員じゃないのにいるし…。まぁ、いっか…。

「翼、陵先輩!これ、どうぞ」


翼『何これ?楽譜?』

「合奏曲だよ(●´ω`●)」

陵『えっ!マジ?』

「そろそろ始めたいと思って(●´ω`●)」

翼・陵

私はバイオリンを取り出した。


「天先輩…ピアノお願い出来ますか?」

天『キモ……。』

「(๑•ૅㅁ•๑)!!お願いします……。」

私はイライラを抑えて、天先輩にピアノを頼むと天先輩はピアノに腰をかけて準備をした。

「陵先輩は大体わかるかもしれませんが、同じ曲でも1つの楽器がはいることで雰囲気が全然違くなる。聞いててね(*´꒳`*)」



私はバイオリンを持って、まずはバイオリンだけで弾いた。


♪〜

ズキンッ!!

私はバイオリン弾き始めた瞬間に、腕に痛みがはしり、バイオリンの弓を落としてしまった。

翼『鈴、どうした?』

「ごめん!手が滑った(*´ー`*)最初から弾くね」

天『………。』

♪〜

ズキンッズキンッ

腕を動かすたびに痛みがはしり、私は必死にこらえて何とか弾き終えた。

「〜っ…。1人で弾くとこんな感じだけど、ピアノとか違う楽器がはいることでこんな感じになる」

天先輩と目を合わせたら、天先輩は睨んできたけど合図して弾き始めた。

♪〜♪〜

ズキンッズキンッ
めちゃめちゃ痛いけど、弾き終えるまで我慢!!

と思ったが、曲の半分まで弾くと天先輩がいきなりピアノを弾くのをストップさせた。

ー!!?

天『疲れた…。』

なっ!!

翼『めちゃめちゃ違う!!』

陵『シトロンの曲なのにめちゃめちゃ違う感じになった…。』


まぁ、翼と陵先輩に届いたならいいか…。

ズキンッズキンッ

「ごめんヽ( ̄д ̄;)ノちょっとトイレ行ってくるね(╹◡╹:)」

翼『わかった!俺たちは譜読みしてみる』


私は音楽室をでて、トイレではなく保健室へ向かった。ありがたいことに、保健室には誰もいなかった。

「湿布はどこだろ…。」

湿布を捜しているといきなりドアが開いた。
私は慌てて袖を下ろした。



保健室に入ってきたのは、天先輩だった。



「天先輩…どっどうしたんですか?」


天先輩は私をちらっと見た後、棚から何かを取り出して私に手渡した。

天『ん。』

「えっ?」

天『ケガ…してんだろ…。』

「えっ!?どうして…」

天先輩は袖を捲り上げようとしたので、私は抵抗したが、天先輩の力は強くて簡単に袖を捲り上げられた。

「〜っ!!」

天『このケガ…。』

「あっ…あの、ちょっと思いっきり…ぶつけちゃって…」

天『あっそ…。』

天先輩は私に湿布を渡して、保健室から出ていった。


もしかして…急にピアノ弾くのやめたのって、怪我に気づいたから…?
心配してくれたのかなぁ…。

いやいや!!あの先輩がする訳ないよ(-_-:)

翼も陵先輩も気づかなかったのに…。

私は何かわからないけど嬉しくなり、湿布を貼って音楽室に戻った。

天先輩は私が怪我してることを言わないでいてくれたみたいで、陵 先輩たちに聞かれることはなかった。


それから、女子のことはお構い無しに普段通り学校生活をおくっていた。

「翼!私、飲み物買ってから行くから先に行ってて!」

翼『俺も飲み物欲しいから一緒に行くよ』

「だったら、一緒に買ってきてあげるよ」

翼『マジ?じゃあコ…「コークでしょ?」』

私は翼の飲み物を聞いて、自販機に向かう途中にこの間の女子が、私を囲んだ

「何?」

a『翼くんたちとに近寄るなって、忠告を無視したからに決まってるでしょ? 』

「別に約束してないし、悪いけど私はあなた達の要望には応える気はないから。」

b『何ですって!!』

「そういうことだから私は行くよ!」

c『ちょっと待ちなさいよ!』

女子の横を通り抜けようとすると、腕を掴んで壁に叩きつけられた。

ドンッ!!

「〜っ!!」

a『あんたが学校に来れない顔にしてやる!!』

c『忠告を無視したんだから当然よね。』

「それで満足するなら幾らでも殴るなら蹴るなり」
バシッバシッ!!
ドスッドスッ!!

「うっ…。ゲホッゲホッ!!」

必死に顔を守ってるけど、もう限界…。

a『もう一度だけ聞くわ、もう翼くんたちに近寄かないならここで終わりにしてあげる。どうする?』

「何度聞こうが、変わらないよ!翼たちが私といてくれる限り…。」

b『そう…。じゃあ、強制的に近づけなくしてあげる。』

私は覚悟を決めて、目を閉じて歯を食いしばった。


だけど…


全然痛くない…

そっと目を開けると…




「天…先輩…?」

天先輩が私の前に立っていた…。

天『何してんだよ…。』

「すみません。」

初めて天先輩のキレた顔を見た私は、咄嗟に謝った。

天『は?俺はお前に聞いてねぇよ…。』

「すみません…。」

天『お前は黙ってろ…。』

ドンッ!!

天先輩はaの顔の横に拳を突きつけた。

a『ひっ!!』

天『早く応えろよ。てめぇに聞いてんだよ…。』

a『あ…あの…』

女子たちは天先輩がキレてる顔をみて、すごく青ざめていた。

b『先輩、怒らないで下さいよ…。(ノ_<)』

天『仲間がボロボロにされてるのに怒らない奴がどこにいる。』

「っ!!」

天先輩はすごくこわかった…。

でも…すごく嬉しい…
私を仲間って言ってくれた…。

嬉しくて天先輩を見ると、女子に殴りかかろうとしていた。

「てってっ天先輩!!待って!!」

パシッ!!

私は力を振り絞って天先輩の拳を掴んだ。
女子たちは私が天先輩を止めた後にささっと逃げて行った。

天『ちょっちょっと待てよ!』

「先輩!落ち着いて下さい!!」

天先輩は壁に思いっきり拳を入れた。
私はホッとして、そのまま意識を手放した。

「ん…ここは…」

目を覚ましたとき、私は保健室にいた…。

天『保健室…。』

「天先輩!!いたたぁ!!(*´Д`*)」

天『アホだな…。』

私が意識を手放した後、天先輩が私を保健室に連れてきてくれたらしい。

「ありがとうございます。」

天『この前のあれもあいつらにやられたのか?』

「……。」

天『何でやり返さないんだ!?お前ならあんなの余裕でかわせるだろ』

「私には女の子に手を出すことは出来ないから…。」

天『はぁ?』

「でも、助けてくれてありがとうございます(^∇^)嬉しかったデス…。」


天『キモ…。』

私と天先輩はいつもの様に口喧嘩に変わっていった。


何かだんだんだけど、天先輩のことが分かってきた気がする…。

さっきの言葉も照れ隠しで言ったことなんだなぁって(^∇^)

私は仲間って言ってくれただけですごく嬉しくなった。

〜〜〜〜〜

a『あの女マジでうざい。』

b『でも、これ以上天先輩を刺激したくないよ』

c『ねぇ、こういうのはどう?』

〜〜〜〜〜


「あれ!!?ない!!」

翼『鈴、どうした?』

「ないの!!私のヴァイオリン…」

翼『えっ!?音楽室じゃなくて?』

何でないの!?
ど、どうしよう(*´Д`*)

陵先輩たちも協力してくれたけど、見つからなかった…。

「ど、どうしよう…。」

つづく…