「…………っん……」
「千夏? 千夏っ!?」
「お、おい! 先生呼べっ!!」
ゆっくりと目を開けると、妙に明るい光が飛び込んできた。
でも、あまりにも白いそれの刺激が強すぎて、しっかりと目が開かない。
耳から聞こえてくる会話から、辛うじてここが病院だと気付いた。
「戻れたんだ……」
よくわからない検査や確認が続く中で、私は小さく、大きな喜びを噛み締めた。
「千夏っ!!」
少し落ち着いた頃、病室のドアが開くと同時に、馴れ親しんだ声が聞こえた。
今までこの部屋になかったその声に向かって、そっと微笑む。
そこには、これ以上ないくらいにきらきらした、雅樹の笑顔があった。


