私たちは、ゆっくりと夜空を仰いだ。
「ここで昨日と同じことをしても、私の体が元通りになるとは言いきれない。でも……」
「頑張れ、千夏。俺は傍にいるから」
雅樹はそう言うと私の手にそっと手を重ねた。
感じた心の温かさに、思わず頬が緩む。
見つめ合ってそっと微笑んだ後、私は反対側の手を空に向けた。
「1、2、3、……」
ゆっくりと、闇に七芒星を描く。
「……、6、7」
最後の点を結んで腕を下ろす。
その瞬間、強い風が吹いた。
繋いでいたはずの雅樹の手が、呆気なく遠ざかる。
「雅樹、またね……」
……最後に見たのは、雅樹の優しい笑顔だった。


