ゆっくりと雅樹の方を向く。
すると雅樹は、空の1点を眺めていた。
それに引かれるように上を見上げる。
「七つ星……?」
そこには、昨日見たのと同じ空間が広がっていた。
顔を下げて辺りをよく見てみる。
そこは、昨日最後にいた道だった。
「もしかして……」
そう呟いた私に、雅樹が不思議そうな顔をした。
「どうしたの?」
「私たち、間違ってたんだよ……。
よく考えてみて?
旦那さんの文章には、墓石の所で七つ星を見たなんて書いてなかった!『その日、夜空を見上げると一際目立つ星々がありました』って書いてあったの!
旦那さんが墓石に七芒星を刻んだから……。だからそれに答えて、ななよさんは空に七つ星を見せたの!」
掴めない雅樹の腕を掴んで、私は必死で言った。
雅樹の顔からは、だんだんと戸惑いが消えて、代わりに目が大きく見開かれた。
「それじゃあ……」
「きっと、ここがその場所なんだよ。
ななよさんが、旦那さんに七つ星を見せた場所……」


