「ごめんね、雅樹……。あんなにも長い間待ってくれたのに……」

「いいよ、千夏。また次の方法を考えよう!」


雅樹は、私を励ますように言ってくれた。


でもその表情から、落胆の色が隠し切れてないのがよくわかる。


「でも……もうななよさんの話には何も手がかりがないんだよ?
お墓にだってヒントになるような物もなかったし……」

「千夏……」

「私……もう戻れないのかな?」


こんな時だからこそ、もっとポジティブに頑張らなきゃいけないんだとは思う。


でも、頭では思っていても、自然と瞳にたまる涙は止められない。

それに引っ張られるように、口からも後ろ向きな言葉が溢れ出てきた。


「戻れなかったら……なんて、そんなことは考えたくないんだけど!
でも、もしそうなったら、俺がずっと傍にいるから。ずっと話相手になるし、行きたい所があればどこにでも連れていく。千夏本体にだって、ちゃんと傍にいてもらう。
だから心配しなくていいんだよ。な?」


私は、雅樹の笑顔から思わず顔を背けた。