墓石の表面を、そっとなぞる。
触れることはもちろんできてない。
でも、何だかその石はひんやりしていて、それでいて温かい気がした。
「どうすればいいのかな、これから……。ななよさんのお墓が見つかって、印が七芒星だってわかって。
でもこれだけじゃ、何にも変わらないままだよ。わかってないのと同じ……」
「大丈夫だよ、千夏。
とりあえず、星が出るまで待ってみない?」
「え?」
「星が出始めたら、七芒星を探そう? その下で頼めば、きっと元に戻れるよ。
『傍にいたい』がななよの願いなんだから」
雅樹が、にっこりと笑いかけながらそう言った。
星が出るまでって、雅樹にどれだけ寒い思いをさせなきゃいけないんだろう。
そんなことなんて気にしてないみたいに軽く言われても……
それを素直に喜べるほど、私だって無神経じゃない。
「でも、願いが叶ってこの姿になったんだよ?
だったら、同じことしたって戻れないんじゃ……」
「バカだなぁー」


