「ねぇ、千夏。どれを見ても伝説の言葉しか書いてないんだけど?」
「本当だねー。こっちも同じような感じ」
私たちは、思わず顔を見合わせた。
無事に公民館に着いた私たちは、読書スペースに直行した。
伝説に関係ありそうな箇所を片っ端から読み初めてから1時間。
成果はまだゼロのままだった。
本に触れない私は、毎回雅樹にページをめくってもらわなくちゃいけない。
少しでも早く答えを見つけたいのに、何も見つからない。
迷惑しかかけられない私は、申し訳なさでいっぱいになった。
「何かさ、全部『七夜伝説を研究した』話ばっかだから役に立たないんだよな。
根本的な部分から……伝説の元になったものってないのかな?」
「そうだねー。もう少し探してみなきゃ」
七夜伝説の解説書なんかもあるけど、どれも想像の域で終わっている。
しかも、私の状況とは全く違うことしか書いていない。
確かに、雅樹と私の考えだってただの想像だとしか言えないけど……。
今日読んだだどの説よりも、私達の想像の方が、何だか伝説に忠実に思えた。
「千夏!これっ!!」


