「……遠すぎるよ、南和良村」
「お疲れさま! まだ隣町に着いただけなんだけどねー」
昨日、すでに就寝済みだった雅樹のおばあちゃんに話が聞けなかった私達は、改めて南和良村に向かっていた。
たまたま今日が土曜日だったから、ちょうど運が良かったと思う。
朝早いから肌寒いのか、雅樹が顔をしかめた。
私はと言えば、全く寒さなんて感じない。
寒さだけじゃない。
昨日から食欲も、睡眠欲もなかった。
体が透けてるから、何かを触ることもできない。
壁なんかは通り抜けられる。
ただ、雅樹からは1メートルくらいしか離れられないみたいで、自由に動くこともできない。
だから、昨日は雅樹が寝てからの時間は、本当に退屈だった。
雅樹も、頑張って明け方まで起きててくれたんだけどね。
……寝顔もじっくり見られたし。
「駅から電車で1時間って……。しかも、ここからバスで30分だったよね?」
「そうだよ。緩やかーにどんどん上り坂を進んで行って、トンネルを2つ通った着くから。
ちなみに、土曜日だとバスは1時間に1本しかない」
「あり得ない……」
「お疲れさま! まだ隣町に着いただけなんだけどねー」
昨日、すでに就寝済みだった雅樹のおばあちゃんに話が聞けなかった私達は、改めて南和良村に向かっていた。
たまたま今日が土曜日だったから、ちょうど運が良かったと思う。
朝早いから肌寒いのか、雅樹が顔をしかめた。
私はと言えば、全く寒さなんて感じない。
寒さだけじゃない。
昨日から食欲も、睡眠欲もなかった。
体が透けてるから、何かを触ることもできない。
壁なんかは通り抜けられる。
ただ、雅樹からは1メートルくらいしか離れられないみたいで、自由に動くこともできない。
だから、昨日は雅樹が寝てからの時間は、本当に退屈だった。
雅樹も、頑張って明け方まで起きててくれたんだけどね。
……寝顔もじっくり見られたし。
「駅から電車で1時間って……。しかも、ここからバスで30分だったよね?」
「そうだよ。緩やかーにどんどん上り坂を進んで行って、トンネルを2つ通った着くから。
ちなみに、土曜日だとバスは1時間に1本しかない」
「あり得ない……」