私は、目を見開いて振り向く雅樹に、ゆっくりと言った。


「半殺しなんて嫌な言い方だけどねー。もう少し可愛い名前を考えなくちゃ」

「あ、ごめん……じゃなくて!えっ?いや、あの……え?」


雅樹は、妙に焦った様子を見せた。


私は、この1年くらいの間に、強がることがかなり板に付いたみたいだ。

雅樹から言ってもらえたことが信じられなくて、それでも、嬉しかったのは事実。

だから、本当は素直に可愛く答えるべきなんだろうけど……。


「私がこんな風になっちゃったのは、雅樹の願いが叶ったからなのか、私のが叶ったからなのかわかんないって言ってるの」


私には無理かな……――――


「何かもうこの際だから言っちゃうけど、私も雅樹が好きなんですよ?
雅樹の傍にいたいって、ずっと願ってたくらいだもん」

「うわー、それじゃあ、本当にどっちの願いが叶ったのかわかんないじゃん!願い事一緒だし」


大きく笑った雅樹を見て、私も思わず一緒になって笑った。

こんなに呑気で良いわけはないけど……

それでも、いろいろなことに現実身がなさすぎて、私達にはこうすることしかできなかった。


「俺さ、ちょっとばぁちゃんとこ行ってみるよ。
もう遅いから寝てるかもしれないけど……一応ね。ちょっと待ってて?」