ネガイボシ


「もしかしたらさ、俺の願いが叶ったのかも……」


雅樹は、カーペットを見つめて口を開いた。


「何かもうこの際だから言っちゃうけど、俺は千夏が好きなんですよ」

「え……?」

「千夏っておとなしく見えるけど、一緒に話してるとすごく楽しくて。しかも、クールに見えて意外と何に対しても一生懸命で、熱くて」


何で、こんなことになってるんだろう?


「俺のこと平気で叩いてくる女の子なんて、千夏だけだし?
でも、そんなとこも面白いし、新鮮」


そこまで言うと、雅樹は私の目を捕らえた。


「千夏は何とも思ってないだろうけど、俺は千夏が好き。
でも、気付いた時には仲の良い友達になってて、言いたくても言いたくなくて……」


それは、自分が透けてるからなのか。

それとも、雅樹の言葉に現実身を感じられないからなのか。

あるいは、その両方なのか。


混乱する頭の中では、上手く整理ができなかったけど、雅樹の目が真剣だってことだけは、妙に目に焼き付いた。


「本当は言わないつもりだったけど……体犠牲にさせてまで俺が呼んじゃったなら、言わないのは反則だよね。
半殺し状態でも、俺は千夏がすきだよ」