「俺さ、ばぁちゃんが南和良村出身なんだけど……」

「え?そうなの? 初耳だよー。そんなの!」

「え?そうだっけ?
まぁ、……それでさ、小さい頃に南和良村の人ならみんな聞くっていう伝説を聞かされてたんだよ。
何だっけ?千夏、知ってる?」


南和良村の伝説……。

私だって完全に覚えてるわけじゃないけど、聞いたことはある。


「“七夜伝説”でしょ?」

「それに、7を数えて……とか出てきたよね?あと、風がどーとかも!」


雅樹は、内容をはっきり思い出せないからか、顔を歪めている。

内容なんて覚えてないと思ったけど、雅樹の言葉がヒントになったみたいで、頭の中にフレーズが浮かんできた。




 七つ瞬く闇に咲き

    七つ数へむ黒の下


  七つ聞く刻風立ちて

    七夜の願ひ叶へけむ




「……誰も解けないっていう話だけど、これって千夏の言ってる状況に似てない?」

「確かに……」