家に足を1歩踏み入れた瞬間、その家の中がおかしいことにきづいた。
「…使用人すらいないなんて…」
そして空気がガラッと変わり、重々しい雰囲気が漂っている。そんなヤバイ雰囲気をモロにうけているのは、ファナの精霊たちだ。
「…クーモ?モモ?どうしたの??」
「大丈夫か??」
精霊たち、クーモとモモはいつもならファナの周りを飛び回っているはずなのに、いまはファナの頭の上でぐったりとしている。
「アーフィーの水を飲ませよう、少しは楽になるはずさ」
精霊は実体がないぶん、精神的ダメージをうけやすい。
ということはこの家には何らかの魔法がかかっているということだ。
最大限の注意を払いながら、家の中を進むと、『村長の部屋』と書かれたプレートがかかっているドアをみつけた。
「村長はここにいるのか…?」
俺が恐る恐るドアを開けた先にいたのは、
たくさんの動物の首に囲まれた若い男だった。