ボンさんの料理はとてもシンプルだったが、それでいて飽きのこさせない感じでとても美味しかった。
「昨日今日とありがとうございました」
「いやいや、ラキも楽しそうでしたし、こちらこそ」
「じゃあな、ラキ。元気でな」
するとラキは口を開き、
「ぼっぼく、カイについていきたい!記憶を取り戻したいんだ!」
「ラキ…」
ボンさんはとても驚いていた。
普段あまり喋らないような子がいきなりこう言いだしたんだ、そりゃ驚くのも無理はない。
「大丈夫か、ラキ。旅っていうのは危険なんだぞ?」
「それでも、ぼくはカイとファナと旅がしたい…記憶を取り戻して、なんで魔法が使えたり目が赤くなるのかを知りたいんだよ」
ラキが一所懸命説得し、ボンさんもおれたようだ。
「この子を…お願いできますか?」
「もちろん!仲間が増えて嬉しいわ!」
「よし、行くかラキ!」
「父さん、いままでありがとう。行ってきます!」

光が揺らめく水の町、アーフィー。
新しい仲間が増えた俺たちは、次の町へ向けて出発した。