少し走っただけなのに、息が切れた。
わたしを見て、亜依が眉をひそめる。
「未波、あんた……」
「ごめんね。立ち聞き、しちゃった……。航と喧嘩した?」
「ああ、航の馬鹿がハルをかばうから、ちょっと黙ってられなくなってさ。つい熱くなった」
「そもそも、どうしてそんな話になったの?」
亜依が口ごもり、やがて意を決したように口を開く。
「うちが……ハルのこと、恵まれたぼんぼんだって言ったから。完全な悪口だね」
「悪口? 亜依が?」
誰かのことを悪く言う亜依なんて信じられない。
親友らしくない行動に、わたしはただかぶりを振った。
「ほんとだよ。ちょっと妬み入ってたかもしれない。だって、あいつの月の小遣いいくらか知ってる?」
「知らないけど……」
「三万だよ、三万。そりゃ、ちょっと貯めたら新しいアンプも買えるよね。いろんなライブも行けるし。うち、うらやましくて……」
「確かに毎月それだけもらえたら、すごいね」
アルバイトもできない十四歳の収入として、三万円は破格だ。
わたしを見て、亜依が眉をひそめる。
「未波、あんた……」
「ごめんね。立ち聞き、しちゃった……。航と喧嘩した?」
「ああ、航の馬鹿がハルをかばうから、ちょっと黙ってられなくなってさ。つい熱くなった」
「そもそも、どうしてそんな話になったの?」
亜依が口ごもり、やがて意を決したように口を開く。
「うちが……ハルのこと、恵まれたぼんぼんだって言ったから。完全な悪口だね」
「悪口? 亜依が?」
誰かのことを悪く言う亜依なんて信じられない。
親友らしくない行動に、わたしはただかぶりを振った。
「ほんとだよ。ちょっと妬み入ってたかもしれない。だって、あいつの月の小遣いいくらか知ってる?」
「知らないけど……」
「三万だよ、三万。そりゃ、ちょっと貯めたら新しいアンプも買えるよね。いろんなライブも行けるし。うち、うらやましくて……」
「確かに毎月それだけもらえたら、すごいね」
アルバイトもできない十四歳の収入として、三万円は破格だ。

