本編終了。
普段感情をあらわにしない遥人が、たとえ歌詞に関することだとしても「好きだ」なんて言ったせいで、ファンが暴徒と化してもおかしくない。盲目的に遥人を愛する女性ファンに刺されるとか……もう明るい場所を歩けないかも。顔も名前も割れてしまったし。
できることなら逃げ出したかったけれど、最後まで見届けたい気持ちの方が勝った。
やっぱりわたしは、トライクロマティックのファンなのだ。
中学生のときから彼らが好きだった。片想いじゃなくて、幸せな両想い。
唯一無二のバンドと出会えた幸運を手放したりしない。
ただし四人目のメンバーになるかどうかは、また別の話。
「アンコール!」
「アンコール!」
灯りの消えたステージに、三人が再び現れる。
赤、青、黄。
基本の色がそろい、亜依がリズムを刻み始める。
航は楽しそうだった。はしゃいでいるように見えた。
遥人は相変わらず偉そうなオーラを振りまいていた。
ずっと見てきて、表情も癖も好き嫌いもよく知っている三人が、初めて会うひとたちのように新鮮に思えた。
目を閉じても開いても、音楽はなくならない。鼓膜を震わせ、血液を巡らせ、身体中の細胞に染み込んでゆく。
これからの日々を思った。どんな季節も、彼らと一緒に体験したい。
この場所を起点に広がってゆく声。響く音色。
もし世界がまたわたしたちを試すなら、嬉しくはないけれど、受けて立とうと思う。
嵐の後に来る晴れを信じる。
何度でも奇跡を起こしてみせる。
鞄の底に眠るノートにはまだ白いページが何枚かあって、きっとわたしはそこに綴るだろう。
新しい言葉を、自由に。
<END>
普段感情をあらわにしない遥人が、たとえ歌詞に関することだとしても「好きだ」なんて言ったせいで、ファンが暴徒と化してもおかしくない。盲目的に遥人を愛する女性ファンに刺されるとか……もう明るい場所を歩けないかも。顔も名前も割れてしまったし。
できることなら逃げ出したかったけれど、最後まで見届けたい気持ちの方が勝った。
やっぱりわたしは、トライクロマティックのファンなのだ。
中学生のときから彼らが好きだった。片想いじゃなくて、幸せな両想い。
唯一無二のバンドと出会えた幸運を手放したりしない。
ただし四人目のメンバーになるかどうかは、また別の話。
「アンコール!」
「アンコール!」
灯りの消えたステージに、三人が再び現れる。
赤、青、黄。
基本の色がそろい、亜依がリズムを刻み始める。
航は楽しそうだった。はしゃいでいるように見えた。
遥人は相変わらず偉そうなオーラを振りまいていた。
ずっと見てきて、表情も癖も好き嫌いもよく知っている三人が、初めて会うひとたちのように新鮮に思えた。
目を閉じても開いても、音楽はなくならない。鼓膜を震わせ、血液を巡らせ、身体中の細胞に染み込んでゆく。
これからの日々を思った。どんな季節も、彼らと一緒に体験したい。
この場所を起点に広がってゆく声。響く音色。
もし世界がまたわたしたちを試すなら、嬉しくはないけれど、受けて立とうと思う。
嵐の後に来る晴れを信じる。
何度でも奇跡を起こしてみせる。
鞄の底に眠るノートにはまだ白いページが何枚かあって、きっとわたしはそこに綴るだろう。
新しい言葉を、自由に。
<END>

