拍手が起こり、スポットライトがあちこちを照らす。
遥人の挨拶はまだ終わらなかった。
「トライクロマティクとして今年で結成八年目、来年には九年目になる。結成したとき中学生だった俺たちも、次の春からは学生という身分ではなくなる。この節目でいろいろ考えた」
遥人が長く喋るのは珍しいため、誰もが黙って次の言葉を待っている。
「実は、バンドの解散をここで伝えようと思ってた」
やだ。なんで。解散なんて。
悲痛な叫びが空気を揺らす。
でもまだ遥人はマイクから手を離していない。
「考えてるうち、気づいたことがある。それは、俺たちには余白があるってこと。キャンバスに絵を描いて、完成したと思っても、横にスペースがあるなら、まだ何か描いていい。そういう、想定外が入る余白が俺たちにはある」
余白……?
真意を計りかねた観客が首をかしげる。
「ここでもう一人紹介します。日頃から細かな用事をこなしてくれるマネージャー、矢淵未波」
え?
突然に名前を呼ばれ、当然のようにスポットライトがこちらを照らす。
まぶしすぎて、息もできない。
遥人の挨拶はまだ終わらなかった。
「トライクロマティクとして今年で結成八年目、来年には九年目になる。結成したとき中学生だった俺たちも、次の春からは学生という身分ではなくなる。この節目でいろいろ考えた」
遥人が長く喋るのは珍しいため、誰もが黙って次の言葉を待っている。
「実は、バンドの解散をここで伝えようと思ってた」
やだ。なんで。解散なんて。
悲痛な叫びが空気を揺らす。
でもまだ遥人はマイクから手を離していない。
「考えてるうち、気づいたことがある。それは、俺たちには余白があるってこと。キャンバスに絵を描いて、完成したと思っても、横にスペースがあるなら、まだ何か描いていい。そういう、想定外が入る余白が俺たちにはある」
余白……?
真意を計りかねた観客が首をかしげる。
「ここでもう一人紹介します。日頃から細かな用事をこなしてくれるマネージャー、矢淵未波」
え?
突然に名前を呼ばれ、当然のようにスポットライトがこちらを照らす。
まぶしすぎて、息もできない。

