卒論で苦労したエピソードなど、学生らしいMCをはさみながら、ライブは後半戦に突入した。盛り上がる曲が続く。
ダダダダ、と亜依のキック。
邪魔なものを蹴り飛ばす勢いが亜依らしい。未開の地を開拓するブルドーザー。
弦を弾く遥人は、ざっ、ざっ、と邪魔な草を薙ぎ払う。
荒っぽいリズムに、航は振り回されない。丁寧に種をまき、苗を植える役目。
アグレッシブだった曲がミディアム・バラードに変わると、わたしたちが目にするのは秘密の庭、シークレット・ガーデンだ。
花が咲き乱れ、果物がなり、鳥が遊ぶ。泉が湧き、小さな虹が輝く。
亜依が歌う主旋律に、遥人と航のコーラスが寄り添う。
CD音源よりも生の方がいい。
「いい笑顔だなあ。ちゃんと見えてるよ」
手でひさしを作り、航が言う。照れ笑いのさざめきが客席から上がる。
「ごほうびが欲しくて音楽をやってるわけじゃないけど、でも、音楽を続けてきたから、ごほうびがもらえた。オーディエンス一人一人の笑顔が、僕たちにとってのごほうびだと思ってます」
誰しも楽しいだけの毎日ではなくて。
坂を上って、たどり着いた先でしか見えない景色がある。
観客にとってのごほうびは、このライブステージなのだろう。
心揺さぶられる体験を求めて、チケットを握り締めて集まったオーディエンス。一番後ろから見ていると、観客一人一人に生活があって、夢があり、苦労がある、そんな背景が感じられる気がする。
予定より二分押して、午後十一時三十七分。演奏が終わった。
ダダダダ、と亜依のキック。
邪魔なものを蹴り飛ばす勢いが亜依らしい。未開の地を開拓するブルドーザー。
弦を弾く遥人は、ざっ、ざっ、と邪魔な草を薙ぎ払う。
荒っぽいリズムに、航は振り回されない。丁寧に種をまき、苗を植える役目。
アグレッシブだった曲がミディアム・バラードに変わると、わたしたちが目にするのは秘密の庭、シークレット・ガーデンだ。
花が咲き乱れ、果物がなり、鳥が遊ぶ。泉が湧き、小さな虹が輝く。
亜依が歌う主旋律に、遥人と航のコーラスが寄り添う。
CD音源よりも生の方がいい。
「いい笑顔だなあ。ちゃんと見えてるよ」
手でひさしを作り、航が言う。照れ笑いのさざめきが客席から上がる。
「ごほうびが欲しくて音楽をやってるわけじゃないけど、でも、音楽を続けてきたから、ごほうびがもらえた。オーディエンス一人一人の笑顔が、僕たちにとってのごほうびだと思ってます」
誰しも楽しいだけの毎日ではなくて。
坂を上って、たどり着いた先でしか見えない景色がある。
観客にとってのごほうびは、このライブステージなのだろう。
心揺さぶられる体験を求めて、チケットを握り締めて集まったオーディエンス。一番後ろから見ていると、観客一人一人に生活があって、夢があり、苦労がある、そんな背景が感じられる気がする。
予定より二分押して、午後十一時三十七分。演奏が終わった。

