シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~

「思いついたフレーズとかを書くのに使える」

 合宿が終わったら、もう歌詞を書くつもりはない。
 でも、くれるというものを断るのも悪い。わざわざ遥人が用意してくれたんだから。「ありがとう」と受け取った。

「お前って、なんでそんなに俺を心配させるんだ、って考えてたんだけど。多分、原因は俺にあるんだよな」
「え?」
「お前じゃなくて俺の問題。お前は別に悪くない。俺が勝手に、お前のこと気にしてる」
「そうなの……?」

 次に遥人が何を言うか、わかっていた気がする。
 言われたら困る。でも聞きたい。そんな葛藤を、やけに長く思える数秒の間、味わった。

「……つき合うか」

 やっぱりというか、ついに来た、と思った。
 今回のタイムリープで、遥人がわたしに優しかったのも、逆に辛辣な言葉をぶつけてきたのも、そういう理由なのだ。
 しっかりわたしを見ていた証拠。手を貸さずにいられなかったり、黙っていられなかったり。

「お前とは、うまくやっていけんじゃねえかって思ってる」

 隣を並んで歩いていた遥人が向きを変え、わたしの行く手を阻む。

「っていうか、やっていきたい。お前、俺のものになれよ」