目覚めたのは、やけに白い部屋だった。
家でもない。部室でもない。あごまで覆うシーツが硬い。
衝立の向こうで動く影が見えたので、「あの」と声をかけた。
顔を見せたのは、衛藤先生だった。
「気がついたのね。ここがどこかわかる?」
八年前の世界。まだわたしは未来に戻っていない。
「保健室ですよね」
在学中は何度かお世話になった場所だけれど、この合宿でも担ぎ込まれるとは思っていなかった。
「保健の先生が、陸上部に呼ばれてるから、わたしがついてたの。うかつな診断をするわけにはいかないんだけど、矢淵さん、あなた、ちゃんと食べてる? 眠ってる?」
「食べ、ました……睡眠も、一応ちゃんと」
「そう。熱中症かしらね。横にドリンク置いておくから飲めそうなら、口をつけてみて」
「はい。ありがとうございます」
わたしはベッドから身を起こして、指示に従った。
「どう? どこか痛んだりする?」
「いえ、大丈夫だと思います。ご心配おかけしました」
「このままおうちに戻ってもいいけれど、どうする?」
「……合宿を続けたいです。家に帰っても親はいませんし」
家でもない。部室でもない。あごまで覆うシーツが硬い。
衝立の向こうで動く影が見えたので、「あの」と声をかけた。
顔を見せたのは、衛藤先生だった。
「気がついたのね。ここがどこかわかる?」
八年前の世界。まだわたしは未来に戻っていない。
「保健室ですよね」
在学中は何度かお世話になった場所だけれど、この合宿でも担ぎ込まれるとは思っていなかった。
「保健の先生が、陸上部に呼ばれてるから、わたしがついてたの。うかつな診断をするわけにはいかないんだけど、矢淵さん、あなた、ちゃんと食べてる? 眠ってる?」
「食べ、ました……睡眠も、一応ちゃんと」
「そう。熱中症かしらね。横にドリンク置いておくから飲めそうなら、口をつけてみて」
「はい。ありがとうございます」
わたしはベッドから身を起こして、指示に従った。
「どう? どこか痛んだりする?」
「いえ、大丈夫だと思います。ご心配おかけしました」
「このままおうちに戻ってもいいけれど、どうする?」
「……合宿を続けたいです。家に帰っても親はいませんし」

