シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~

「未波ちゃんの勝ちだ」
「やった」
「選んで。どれでもいいよ」
「じゃ、ベーコンレタスサンド」
「OK、遥人と亜依どのはどうするかな……二種類入れておくか。ベーコンレタスを一個追加で、トリプルチーズを二個」

 航がカウンターに小銭を置いた。

「お会計は? 別々?」
「いや、まとめてで」
「いえ、別で!」

 航がわたしの分まで払ってくれようとしたので、あわててわたしは断った。

「遠慮しなくていいのに」
「いいの、本当に」

 ずるをしておごってもらうのは気が引ける。
 学校に戻る途中、わたしはもうひとつ、前回起こった出来事を思い出した。チキンサンドの売れ行きよりも大事な予定かもしれない。

「防音ブース、予約していかない?」
「んー、まだ曲が固まってない状態だからなぁ……」
「ブースが取れれば亜依も思いきり叩けるし」
「まぁそうだね。見てみるか」

 部室に寄り、防音ブースの空き状況を確認する。
 午後三時から五時の時間帯が空いていた。
 遥人や航とのやり取りは前回と違うけれど、それ以外の世界は同じように進んでいる。
 運命の大筋は決まっているのだと思わされる。