学校の裏門を出たところに、総菜パンや飲料を売っている小さな店がある。
前回は、航と亜依が買い出しに出て、わたしは遥人と教室で待っていた。あんなにたくさん遥人と喋ったのは初めてだった。
記憶は確かに残っているのに、このループでは遥人との関係は良好とはいえない。
トライクロマティックというバンド名をまだ告げていないのも気になる。
「チキンサンドは売り切れてるんじゃないかな」
わたしが何気なく口にすると、航が目を光らせた。
「マジで? 賭ける?」
「え?」
「売り切れだったら、他の何でもおいらが買ってあげる。もしまだ売ってたら、未波ちゃんがおいらの分も買って」
「……いいよ」
少し迷ったけれど、自分から持ち出した話題だ。わたしは賭けを承諾した。
前回のタイムリープのときと同じ条件ではない。
買いに出たのが亜依かわたしかという違いによって、店の品ぞろえが変わるとは思えなかった。
「いらっしゃい」
店のおばあちゃんが声をかけてくれる。
「チキンサンド、ありますか?」
「ごめんねえ、今日はもう売り切れちゃったんだよね」
航が眼鏡の奥の目をしばたたかせた。
前回は、航と亜依が買い出しに出て、わたしは遥人と教室で待っていた。あんなにたくさん遥人と喋ったのは初めてだった。
記憶は確かに残っているのに、このループでは遥人との関係は良好とはいえない。
トライクロマティックというバンド名をまだ告げていないのも気になる。
「チキンサンドは売り切れてるんじゃないかな」
わたしが何気なく口にすると、航が目を光らせた。
「マジで? 賭ける?」
「え?」
「売り切れだったら、他の何でもおいらが買ってあげる。もしまだ売ってたら、未波ちゃんがおいらの分も買って」
「……いいよ」
少し迷ったけれど、自分から持ち出した話題だ。わたしは賭けを承諾した。
前回のタイムリープのときと同じ条件ではない。
買いに出たのが亜依かわたしかという違いによって、店の品ぞろえが変わるとは思えなかった。
「いらっしゃい」
店のおばあちゃんが声をかけてくれる。
「チキンサンド、ありますか?」
「ごめんねえ、今日はもう売り切れちゃったんだよね」
航が眼鏡の奥の目をしばたたかせた。

