「お前がお前自身を低く評価してることはよくわかった。もう頼まない」
ようやく遥人はあきらめてくれたようだ。
ほっとしたのが半分。居心地の悪さが半分。ざっくり切られたような痛みは気のせいにしても、さすがにこの空気の中で、教室に居座ることはできない。
「わたし、一人でお昼食べるから」
教室を出る。
「待って、未波ちゃん!」
ばたばたと足音を立てて追いかけてきたのは航だった。
「データ渡すから持ってってよ。さっきの一発録りで、クオリティ高くないけど」
「さっきのって、航が弾いたメロディ?」
「うん。未波ちゃんの携帯貸して」
勢いに呑まれ、わたしは自分の携帯電話を差し出す。
「ん、ここかな? あーごめんね、女の子の携帯いじるの初めてで手間取ってる」
「携帯に女も男もないと思う」
「あっ、そうか、そうだよね。わかった。よし、これで……送信、っと」
航は、ひとりごとを言いながら操作し、データフォルダに音源データを移してくれた。
ようやく遥人はあきらめてくれたようだ。
ほっとしたのが半分。居心地の悪さが半分。ざっくり切られたような痛みは気のせいにしても、さすがにこの空気の中で、教室に居座ることはできない。
「わたし、一人でお昼食べるから」
教室を出る。
「待って、未波ちゃん!」
ばたばたと足音を立てて追いかけてきたのは航だった。
「データ渡すから持ってってよ。さっきの一発録りで、クオリティ高くないけど」
「さっきのって、航が弾いたメロディ?」
「うん。未波ちゃんの携帯貸して」
勢いに呑まれ、わたしは自分の携帯電話を差し出す。
「ん、ここかな? あーごめんね、女の子の携帯いじるの初めてで手間取ってる」
「携帯に女も男もないと思う」
「あっ、そうか、そうだよね。わかった。よし、これで……送信、っと」
航は、ひとりごとを言いながら操作し、データフォルダに音源データを移してくれた。

