「そっか。うちとしてはインストでもいいと思うけどさ、やっぱり部では歌モノが主流だし、ふらっと来たひとが足を止めてくれるようにメッセージは前面に出した方がいいと思うんだよね。生身の人間が歌えば、メロディが不自然だったところも淘汰されるでしょ? ハルか航、どちらでもいいから歌ってよ」
「……ららら、でいいなら歌うけど。歌詞まで考えてなかった」
遥人が真顔で言った。冗談なのか本気なのかわからない。
航がうなる。
「うーん……演奏する側と聴く側では、受け止め方が違うかもしれないね。未波ちゃんは、どう思った?」
「……かっこよかったけど……」
「けど?」
「あ、ううん、確かに亜依が言う通り、歌があればもっと目立つかも。音を聴くのは耳だから、耳立つ?」
「おもしろいこと言うねー。未波ちゃん、その言語センス生かして歌詞書いてみない?」
「え、無理無理!」
そんなことをしたら未来が変わってしまう。
トライクロマティックはあくまでも三人のバンドで、他の人間は楽曲制作には口を出さない。
事務方に過ぎないわたしが応援以外の手段で彼らに関わるなんて、最初の時間軸でも経験がない。
「……ららら、でいいなら歌うけど。歌詞まで考えてなかった」
遥人が真顔で言った。冗談なのか本気なのかわからない。
航がうなる。
「うーん……演奏する側と聴く側では、受け止め方が違うかもしれないね。未波ちゃんは、どう思った?」
「……かっこよかったけど……」
「けど?」
「あ、ううん、確かに亜依が言う通り、歌があればもっと目立つかも。音を聴くのは耳だから、耳立つ?」
「おもしろいこと言うねー。未波ちゃん、その言語センス生かして歌詞書いてみない?」
「え、無理無理!」
そんなことをしたら未来が変わってしまう。
トライクロマティックはあくまでも三人のバンドで、他の人間は楽曲制作には口を出さない。
事務方に過ぎないわたしが応援以外の手段で彼らに関わるなんて、最初の時間軸でも経験がない。

