「お前、何かあった?」
「何も……」
「隠してるだろう。全般的に行動がおかしい」
言い切られると否定できない。
何か喋ったら、ぼろを出してしまいそうだ。わたしは口をつぐんだまま、遥人を正面から見返した。
計算を巡らせる。
航と亜依の仲違いは防げた。後は、遥人だ。衛藤先生と特別な関係にならないよう、三日間、目を光らせればいい。
もちろん合宿が終わっても、先生がわたしたちの顧問で、音楽教師であることに変わりはないのだから、すべての接点を取り除くことはできない。
でもこの合宿さえ乗り切れば、未来は変わる。そんな気がした。
二十二歳のわたしが意識を失う度、この合宿の日々に戻ることが、根拠といえば根拠だ。
鍵はきっとこの合宿にある。
「朝も思ったけど、足取りに迷いがなさすぎる。さっきも自信ありげにまっすぐ教室に向かっただろう。まるであいつらがあそこにいるのをわかっていたみたいに」
遥人に後をつけられていたのだ。
本来はわたしが遥人を尾行する流れが望ましかったのに。
「わたしはただ教室に寄りたくて……だって自分たちの教室だよ」
「教室に用があったとお前が言い張るなら、それでいい。そこまで疑っているわけじゃない。でも、あいつらが激しく言い合ってても、お前はほとんど驚いてなかった。突然居合わせたにしては、とっさの行動ができすぎだった」
そう言われてしまうと、返す言葉がない。
彼らがなぜ言い争いをしていたのか知っているからこそ、わたしは割って入ることができた。
「何も……」
「隠してるだろう。全般的に行動がおかしい」
言い切られると否定できない。
何か喋ったら、ぼろを出してしまいそうだ。わたしは口をつぐんだまま、遥人を正面から見返した。
計算を巡らせる。
航と亜依の仲違いは防げた。後は、遥人だ。衛藤先生と特別な関係にならないよう、三日間、目を光らせればいい。
もちろん合宿が終わっても、先生がわたしたちの顧問で、音楽教師であることに変わりはないのだから、すべての接点を取り除くことはできない。
でもこの合宿さえ乗り切れば、未来は変わる。そんな気がした。
二十二歳のわたしが意識を失う度、この合宿の日々に戻ることが、根拠といえば根拠だ。
鍵はきっとこの合宿にある。
「朝も思ったけど、足取りに迷いがなさすぎる。さっきも自信ありげにまっすぐ教室に向かっただろう。まるであいつらがあそこにいるのをわかっていたみたいに」
遥人に後をつけられていたのだ。
本来はわたしが遥人を尾行する流れが望ましかったのに。
「わたしはただ教室に寄りたくて……だって自分たちの教室だよ」
「教室に用があったとお前が言い張るなら、それでいい。そこまで疑っているわけじゃない。でも、あいつらが激しく言い合ってても、お前はほとんど驚いてなかった。突然居合わせたにしては、とっさの行動ができすぎだった」
そう言われてしまうと、返す言葉がない。
彼らがなぜ言い争いをしていたのか知っているからこそ、わたしは割って入ることができた。

