シークレット・サマー ~この世界に君がいるから~

 前回までに発生したことは、同じように起こる。百分の一秒の差を争う精鋭が集まるオリンピックでは多少の揺らぎが生じるのか、やり直すと別の試合結果になるようだけれど、日常はほぼ繰り返しだ。
 わたしは、ここで亜依が走っているのを知っていた。おそらく遥人がそれを見るだろうとも予想していた。
 でも予想外に、遥人がわたしに歩調を合わせてくれたため、わたしの方からグラウンドに誘導する形になってしまったのだ。
 もし遥人がずんずん先を急いでいたら、前回と同じように、わたしはその後をついていくだけだっただろう。
 冒険心が頭をもたげた。
 前回取らなかった行動を試してみたくなった。